2021 年 63 巻 9 号 p. 1649-1665
【背景】小腸カプセル内視鏡(SBCE)やバルーン内視鏡(BAE)といった小腸内視鏡は小腸出血(SBB)の診療において有用である.しかしながら,特に顕性小腸出血(overt SBB)に対するマネジメント方法は未だ確立されていない.本メタ解析は,overt SBB診療における小腸内視鏡の統合された診断能(DYs)と統合された治療能(TYs)を評価し,内視鏡の適切なタイミングを決定することを目的とした.
【方法】Overt SBBにおける小腸内視鏡のDYまたはTYを評価した研究を検索した.DY,TY,内視鏡のタイミングに関するデータが抽出され,統合そして解析された.Overt SBB患者における小腸内視鏡の統合されたDYと統合されたTYが算出された.さらにメタ回帰分析とサブグループ解析が行われた.
【結果】22個の研究が選択された.統合されたDYはSBCEとBAEでそれぞれ65.2%,74.0%であった.統合されたTYはSBCEとBAEでそれぞれ55.9%,35.8%であった.メタ回帰分析では,内視鏡のタイミングがBAEのDY,さらにSBCEとBAEのTYと有意に関連していた.
【結論】SBCEとBAEはovert SBB診療において有用な診断と治療のモダリティと思われた.サブグループ解析ではSBCEとBAEのTYは出血後2日以内でより高い傾向にあり,適切な内視鏡のタイミングは出血後2日以内と考えられた.