2022 年 64 巻 10 号 p. 2295-2307
HookKnifeは2003年に小山らにより開発されたESDのデバイスである.シンプルなデザインにもかかわらず,咽頭,食道,胃,十二指腸,大腸等のあらゆる臓器に有用である.先端部のHook partでの細かい操作のみならず,根本部のArm partでの大胆な操作が特徴的であり,また他のナイフの苦手な垂直病変へのアプローチや瘢痕合併症例で剝離に対しての繊細な操作も可能である.2015年には送水機能を完備し,HookKnifeJ(オリンパス社)と生まれ変わり,その有用性はさらに進化した.難易度の高いESDの際には使用することが多いデバイスであり,是非,普段からメインデバイスとして手技を熟練し習得しておくべきであり,その手技を解説する.