2022 年 64 巻 4 号 p. 992-998
症例は78歳男性.cT4N1M1b(LYM),stageⅣAの肺大細胞癌に対するペムブロリズマブ療法中に貧血が出現した.上部消化管内視鏡検査を施行したところ,食道に非連続性に全周性の潰瘍性病変を認めた.他の薬剤性潰瘍や感染症は否定的であり,ペムブロリズマブの免疫関連有害事象による食道潰瘍と診断した.経過中に嚥下障害が増悪したため,免疫関連有害事象による大腸炎の治療に準じて,プレドニゾロン1mg/kg/日(60mg/日)の投与を開始したところ臨床症状,内視鏡所見ともに著明な改善を得られた1例を経験した.