2022 年 64 巻 5 号 p. 1112-1117
症例は55歳,男性.黒色便と労作時の動悸を主訴に受診し精査の結果,長径22mmの出血性十二指腸脂肪腫と診断した.内視鏡医と外科医が合同で透視下超音波内視鏡検査を行い,ESDが可能な病変であること・腹腔鏡による補強が可能な局在であることを確認し,十二指腸-腹腔鏡内視鏡合同手術(laparoscopy and endoscopy cooperative surgery for duodenal tumor:D-LECS)の方針とした.手術手技としては,外科術者が腹腔鏡操作で十二指腸周囲の剝離・授動を十分に行い,内視鏡術者がESDで脂肪腫を切除したのちに,潰瘍部より外側の漿膜筋層を縫合した.この手技により,狭窄の予防と遅発性穿孔のリスクを軽減することができると考えられるが,治療方針の決定には内科外科間における術前のコンセンサスの共有が重要と考えられる.