2023 年 65 巻 1 号 p. 49-55
症例は19歳男性.動悸,血便を主訴に来院し,Hb 5.2g/dLと重度の貧血を認め入院となった.頻回の鮮血便あり,CSを施行したところ歯状線に接して乳頭状構造を呈する隆起性病変を認め,直腸粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome;MPS)が疑われた.精査中も排便時出血が持続したこと,形態から腫瘍性病変の可能性も否定できないことより,同病変に対し準緊急的にESDを施行した.ESD後貧血はみられなくなり,半年後のCSでは再発を認めなかった.ESDは低侵襲で正確に病変切除ができ,MPSの治療に難渋する際に有用と考えられた.