2023 年 65 巻 7 号 p. 1255-1265
十二指腸腫瘍に対する内視鏡切除の重要性が認識されつつあるが,EMRは出血や穿孔などの偶発症が一定の頻度で起こる.近年,局注を行わずに病変を浸水させ,スネアリングで切除するUnderwater EMRの有用性の報告が増えてきている.一括切除率の上昇や施行時間の短縮が報告されているが,部位によっては水が溜まりにくかったり,残渣などにより浸水下での視認性の低下などが問題となることがある.そこで水の代わりに,内視鏡止血時の視野確保Gelを用いて病変を浸漬させるGel immersion EMR(Under-Gel EMR)の報告が散見されるようになってきた.本稿ではその方法や展望について述べる.