日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
直腸肛門部潰瘍を契機に診断されたHIV関連リンパ腫の1例
束野 奈津己 宮瀨 志保三浦 浩美柚留木 秀人藤山 重俊竹内 真衣大島 孝一
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2025 年 67 巻 2 号 p. 155-161

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抄録

症例は41歳男性.膠原病に対し生物学的製剤を使用されていた.下血で救急病院を受診し,直腸肛門部潰瘍を認めた.潰瘍からの生検でcytomegalovirus感染や医原性リンパ増殖性疾患が疑われ,生物学的製剤を中止したが改善しなかった.初回指摘から約5カ月後に,直腸肛門部潰瘍からの再生検でリンパ腫を疑う細胞が少数認められ,その後,HIV感染とEpstein-Barr virus(EBV)-encoded small RNA陽性所見が判明し,EBV陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の形態を示すHIV関連リンパ腫と最終診断された.直腸肛門病変では常にHIVを含めた性感染症を鑑別に挙げるべきと考えられたため報告する.

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© 2025 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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