研究の初期には,諸種生理機能検査を目的とした大口径の鉗子孔を有する大腸ファイバースコープを開発試作,回盲部チューブ留置に成功し全大腸の筋電図,内圧測定などを行った.次いでこの経験から現在普及しているCF-LB3利用による留置法を試みた.方法は心臓カテーテル挿入法を応用したもので,最初にCF-LB3の鉗子口を介しガイドワイヤーを回盲部に挿入,スコープ抜去,ガイドワイヤーを通しチューブ挿入,ガイドワイヤー抜去により目的の径を有するチューブを回盲部に留置が可能であった.回盲部チューブ留置法により,全大腸の内圧測定がopen-euded tubes法とpressure transducer法の2方法により可能となり,我々はpressure transducer法により回腸末端炎,大腸憩室疾患,過敏性大腸症候群などに行いその結果を報告した.また留置したチューブを利用することにより骨盤腔内回腸から回腸末端部のX線二重造影法が可能となった.