日本消化器内視鏡学会雑誌
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III型早期胃癌の診断
播磨 一雄有山 重美前谷 昇河村 奨竹本 忠良
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1979 年 21 巻 9 号 p. 1071-1077_1

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抄録
 III 型早期胃癌は,臨床的にはきわめて診断のむずかしい早期胃癌である.われわれの症例は,症例に示したように臨床上,III型早期胃癌と診断できなかった症例であるが,retrospectiveにみれば,III型早期胃癌であると解釈してよいと思われる症例である.III型は,頻度のうえからは,ひじょうにまれな早期胃癌であるが,分類および診断のうえからはきわめて多くの問題点を残した,いわば幻の早期胃癌型であるということができる.III型早期胃癌は,III+IIb型早期胃癌と解釈できることより,その診断はつきるところII型の診断いかんにかかっていると思われるが,現状ではIIb診断の困難性を考え,III型の理論上の存在に注目し,いわば類似III型早期胃癌,すなわちIII+()型を想定し,III型の診断に留意することが必要であると考える.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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