日本消化器内視鏡学会雑誌
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一過性虚血性大腸炎12例の臨床的研究
渡辺 正俊小田原 満藤田 潔針間 喬内田 善仁河野 裕藤川 佳範野村 幸治竹本 忠良浜田 義之青山 栄
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1980 年 22 巻 11 号 p. 1581-1591

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抄録
 すでにわれわれは虚血性大腸炎症例を17例経験しているが,今回は一過性虚血性大腸炎12例について主に臨床像と検査所見,とくに内視鏡所見に重点をおいて検討をおこなった. (1)年齢は28歳から73歳までで,平均年齢は51.1歳と比較的若い年代に多く,また合併を有するものは少なかった. (2)病変部位としてはS状結腸病変および横行結腸病変がもっとも多くおのおの5例ずつであり,脾彎曲部病変は2例のみであった. (3)症状としては腹痛は全例,下痢は11例,下血は10例にみられたが,いずれも特別な治療をおこなうことなく短期間に軽快した. (4)X線検査では7例にthumbprinting像がみられた.一方,内視鏡検査では8例に縦走潰瘍がみられ,本症に特有な所見であると考えられた. (5)自験例の解析および文献的考察より本症発生には微小血管のspasmusがなんらかの関与をしているのではないかと推測された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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