抄録
肝シンチグラムで欠損像を認めた60例の腹腔鏡所見について検討した.60例のうち,17例(28.3%)に肝シンチグラム上の欠損像に相当する限局性病変を認めたが,37例(61.7%)では,それに相当する病変を認めず,false positiveであることが判明した.残り6例(10.0%)は欠損の原因を明らかにし得なかった.限局性肝疾患を認めなかった37例のうち,胆嚢床および肝門部に原因のあったものが15例と最も多く,ついで肝の萎縮7例,肝硬変6例,肝下面の癒着3例,肝外腫瘤による圧迫と肝内胆管拡張が各2例,肝形成不全および放射線肝障害が各1例あった.これらの中から興味ある6症例を紹介した.肝シンチグラムにはfalsepositiveな所見はっきものなので,欠損像を認めた場合には他の検査で診断を確定することが必要であるが,その際腹腔鏡検査は有力な検査手段となり得ることを報告した。