抄録
溶連菌製剤OK-432を内視鏡下に胃癌の腫瘍内および腫瘍周縁に局所投与を行ない,臨床的および病理学的変化を検討した.術前投与を行なった12例では投与部位に一致して肉芽形成を認め,その中で特に組織球様細胞の増加が著明であった.切除不能胃癌25例に全身的な免疫化学療法と同時にOK-432の局所投与を行ない8例に形態的改善をみた.そのうち1例は腫瘤が消失し生検でも癌陰性化した.他の7例は陥凹の平坦化,縮小および消失,潰瘍周堤の平低化,隆起の平低化がみられた.継続的に生検を行なった10例のうち2例に癌組織の変性を認め,同時に炎症細胞の浸潤像をみた.全身投与のみを行なった群25例と生存率を比較すると,局所投与を併用した群に生存率が良好で,有意の傾向を認めた(P<0.10).OK-432の局所投与による作用機序は炎症細胞による巻き込み効果,マクロファージによる効果が示唆された.