抄録
大腸内視鏡検査時に生じる苦痛を和らげる目的に,SSP療法を応用した.症例は対照群が21例,pentazocine(30mg筋注)群17例およびSSP群が43例であった.結果,1)自覚的に訴えた苦痛では,SSP群は他群より苦痛は少なかった.2)他覚的に算出した苦痛指数は対照群,pentazocine群およびSSP群はそれぞれ7.81±2.54(mean±S.D.),7.41±2.40および4.28±2.75であった.SSP群は他群より有意に苦痛指数は低値を示した.3)SSP療法の誘導時間は長いもの程,苦痛指数の低値を示した. SSP療法はパリ麻酔の簡易化,使用法が簡単,合併症が皆無などの特長を有している. 苦痛を伴う大腸内視鏡検査にSSP療法の応用は有効であることが判明した.