日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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2チャンネル型Ropeay式小腸鏡(FIS-W)の開発
藤倉 信一郎田中 三千雄若林 泰文坂東 毅七沢 洋稲土 修嗣窪田 芳樹野尻 裕之島田 一彦佐々木 博
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1984 年 26 巻 4 号 p. 548-556_1

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抄録
 小腸の特に局所変化の内視鏡的診断能力を大巾に改善する目的で2チャンネル型Ropeway式小腸鏡(FIS-W)を開発した.改良点は以下の通りである.(1)有効長の短縮化.(2)鉗子孔の2チャンネル化.(3)緊張解除装置装着.(4)導入光量の増加.(5)アングル機構の4方向化.(6)視野角の広角化.(7)自動送気・送水・吸引装置装着.これらによるFIS-Wの視野の明るさ,観察の範囲,操作性,局所変化への対応などの性能は大幅に改善され,上部消化管内視鏡・大腸鏡に比較しても余り遜色の無いレベルに達している.その成果を如実に示した2症例(アメリカ釣虫症例,小腸潰瘍症例)を供覧する. Ropeway式小腸鏡の今後の課題として「小腸出血における緊急小腸鏡」の適応拡大を,また小腸鏡全体の課題として「小腸の局所変化の部位の判定」をあげて考案した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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