抄録
症例は72歳の男.繰り返すタール便と貧血を主訴として受診.上部,下部消化管の内視鏡およびX線検査で異常所見はみられなかった.しかし,上腸間膜動脈造影にて空腸動脈の動脈相で血管の異常増生像,濃染像,早期流出像を認め,動静脈形成異常と診断し,手術を行った.術中に内視鏡検査を施行したところ粘膜下腫瘤様の小隆起と周囲の毛細血管拡張がみられ,ここが出血部位であることが確認できた.切除腸管の血管構築所見では,屈曲蛇行する太い血管増生と周辺の毛細血管の拡張がみられ,拡張した血管が表層近くまで及び,おもな出血はこの部位からと考えられた.