抄録
脾機能亢進を伴った肝硬変患者の食道静脈瘤硬化療法(以下,硬化療法と略す)の前処置として部分的脾動脈塞栓術(以下,PSEと略す)を行うとともに,その後,18カ月間の経過観察を行った.症例はRCサイン陽性,F2以上の食道静脈瘤を有する肝硬変症例2例(女性1例,男性1例)で血小板数の減少あり,腹部CT,腹腔鏡検査にて著明な脾腫をみた.透視下に脾の約2の塞栓を行い血小板数の安定をまち硬化療法を行った.PSE後の影響についてみると血液生化学的肝機能所見では血清総コレステロール値,血清コリンエステラーゼ活性値の改善が認められた.また硬化療法後の食道静脈瘤は改善を示し,腹部CT像では脾の縮小を示した.また末梢血液像では血小板数の良好な値の持続が18カ月間にわたり認められた.以上よりPSE及びPSE併用による硬化療法は食道静脈瘤に流入する側副血行路の血流低下,及び肝を中心とする血行動態の変化が長期にわたり持続するものと考えられた.