日本消化器内視鏡学会雑誌
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食道静脈瘤硬化療法後に発症した脳塞栓の1例
酒井 昌博, 萩原 優, 佐藤 泰治, 栗原 肇, 猪狩 次郎, 得平 卓彦, 丸山 雄二, Hiromu WATANABE, 柳川 忠二, 柴山 英一, 高桑 俊文, 田所 衛, 草刈 幸次
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1988 年 30 巻 4 号 p. 742-746_1

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抄録
症例は64歳男性,食道離断術後再発した食道静脈瘤に対し,血管周囲注入法による食道静脈瘤硬化療法を硬化剤パオスクレー(5%フェノール,アーモンドオイル)を用いて施行した.その際,約1.5mlの硬化剤が食道静脈瘤内へ注入された. 約4時間後全身性間代性痙攣を伴う意識障害が発症した.約24時間後の頭部CTで右頭頂葉に低吸収域を認めた.パオスクレーによる脳塞栓が考えられた. 患者は,後遺症を残さず退院することができたが,約4年6カ月後肝不全にて死亡した. 門脈圧亢進がある場合には,さまざまな側副血行路が形成されることが確認されており,門脈系から肺動脈へ至る側副血行路の報告もある. 本症例では,門脈系から肺静脈への側副血行路の存在は確認できず,また,脳組織所見で右頭頂葉に,梗塞巣と思われる小嚢胞性病変を認めたが,同部にパオスクレーを証明できなかった.しかし,発症様式・臨床経過から,硬化剤が側副血行路を経て動脈系へ入り,内頸動脈へ流入した結果,脳塞栓を発症したと思われる症例と考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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