日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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内視鏡的硬化療法により救命しえた食道静脈瘤破裂妊婦の1例
岩瀬 弘明森瀬 公友楠神 和男稲垣 貴史前田 吉昭金山 和広河瀬 孝順古沢 敦斉藤 祐一朗堀内 洋大橋 満
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1990 年 32 巻 3 号 p. 563-571

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抄録
食道静脈瘤破裂を合併した妊婦にEndoscopic Injection Sclerotherapy(EIS)を施行し完全止血が得られ,その後無事出産した1例を経験:したので報告する.患者は37歳の高齢初産婦で,妊娠28週にて大量吐血し当院に入院した.緊急内視鏡検査により食道静脈瘤破裂(Lu ,CB,F3,RC+,Lg+)と診断し,Sengstaken Blakemoretubeにて止血を試みたが改善せず,2日後EISを施行した.1回のEISにて完全止血が得られた,患者はEIS施行後翌日より流動食を開始し全身状態が改善した.高齢初産婦であったため胎児の成熟度を確認し,妊娠34週をすぎてから帝王切開が行われ無事出産した.EISの合併症は母子共にみられず,現在健康な日常生活を過ごしている.EISは妊婦に併発した食道静脈瘤破裂に対しても安全に施行できる有用な治療法であると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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