日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
肝性コプロポルフィリン症の1例
―腹腔鏡所見および生検肝組織像について―
木曽 真一, 柏原 赳, 藤森 永二郎, 大木 篤, 川上 房男, 多胡 基, 奥野 巍一, 木戸 良明, 松村 到
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 32 巻 7 号 p. 1685-1691

詳細
抄録
 症例は24歳男性,頭部外傷のためphenobarbitalとsodium valproateを服用した.その後けいれん,腹痛が出現して本院に入院.皮膚異常所見なく,病的反射,知覚異常なし.尿はブドウ酒様色を呈した.肝機能はGOT,GPTほぼ正常。尿中ALA26.0mg/24hr,PBG5.9mg/24hr,UP1,296μg/24hr,CP7,290μg/24hr(I:III=1:15.5)高値.便中CPは1,490μg/gdwと著増,PP正常.赤血球中UP,CP,PP正常.以上からHepatic coproporphyria(HCP)と診断した.腹腔鏡所見では,肝表面はほぼ平滑だが,わずかに陥凹した暗紫青色区域と凸の赤味の残った赤褐色区域が肝全体に地図状に入り乱れていた.生検肝は紫外線照射にて赤色螢光を発した.H.E.染色でグリソン鞘にリンパ球浸潤と線維化を軽度みとめ,肝細胞の水腫様変性と褐色顆粒(一部鉄染色陽性)を認め,シュモール染色で肝細胞核の直径程度の長さの針状結晶を認めた.確定診断のついたHCPの腹腔鏡所見の報告は本邦ではわれわれの検索しえた限りでは見られず,極めてまれなので報告する.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top