日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
頸部食道異所性胃粘膜島の1例
松本 利彦松本 文子羽間 弘何 国彦橋本 稔宏飯田 都西村 俊夫仲野 俊成水野 孝子
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 33 巻 2 号 p. 286-290_1

詳細
抄録

症例は61歳女性.心窩部痛を来し,消化管内視鏡検査を施行.胃角部小轡に良性潰瘍があり,再検時,頸部食道に扁平な類円形病巣を認め,生検組織診で異所性胃粘膜と診断された.悪性所見はなかったが,病巣の細胞核DNAの検討から生物学的悪性度の高いことが示唆された.わが国では頸部食道異所性胃粘膜島は比較的稀とされているが,本症からの癌発生例の報告もあり,自験例での検討とも併せ,慎重な経過観察が重要と考える.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top