抄録
食道静脈瘤硬化療法(EIS)後の定期観察中に1年6カ月の期間をおいて異時性に多発した微小食道癌の1例を経験した.症例は52歳の男性,EISの1年6カ月後に門歯列より28cm,4時方向に直径2mm程度の食道癌を認め,充分なレーザー治療を行った.その1年6カ月後に今度は前病変の3cm口側,3時方向に直径2mm程度の食道癌を認めた.同病変は生検後1度見失われたが,4カ月後には再び観察可能な大きさとなり入院の上ホットバイオプシーを行い,その組織所見は扁平上皮癌であった.EISと食道癌発生の因果関係は不明であるが,今後このような症例が増えていくものと思われ,定期観察の際の詳細な観察が必要である.