抄録
先天性肝線維症を伴ったCaroli病の2例における腹腔鏡所見を検討した.症例1は脾腫,食道静脈瘤の精査にて入院した.胆管造影を含む画像診断で肝内胆管の嚢胞状拡張を認め,肝の組織所見では門脈域の幅広い線維化,胆管の不整形の拡張,門脈枝の減少が観察された.以上より先天性肝線維症を合併したCaroli病と診断した.症例2は肝内結石と胆管炎の精査のため入院し,画像診断にて肝内胆管の多発性の嚢胞様拡張がありCaroli病と診断した.肝生検所見では門脈域の線維化,胆管の拡張が観察された.腹腔鏡所見は,症例1の肝は硬く腫大し,表面に幅の広い白色紋理が網状に観察された.症例2では明瞭な白色紋理が樹枝状に観察された.また,症例1ではシャント静脈が,症例2では暗緑色の小嚢胞様構造が観察された.先天性肝線維症を合併したCaroli病の腹腔鏡所見として,門脈域の線維化を反映すると考えられる幅が広く明瞭な白色紋理が特徴と考えられた.