抄録
症例は50歳,男性.胃集団検診にて胃体上部にポリ-プを認め,生検にてgroup I であった.その後定期的に内視鏡検査にて経過観察されていた.2年後の内視鏡検査にて胃体上部にI+IIa病変,幽門部にIIcを認めた.また下部食道にも浅い陥凹と粘膜不整像を認められた.入院後精査にて,食道0-IIc+IIaと0-IIcの2病変,胃I+IIaとIIcの2病変の食道胃重複癌の診断にて手術を施行した.病理組織学的には,食道癌は深達度mm2,sm2の中分化扁平上皮癌,胃癌は深達度mの中分化腺癌,smの高分化腺癌であった.文献的には早期食道胃重複癌切除例は26例であり,食道も胃も多発であったものは2例のみであった.今後重複癌にも留意し,精査,治療法の選択,手術時の再建臓器の決定に注意が必要と思われた.