日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的胃粘膜切除が胃粘膜下血管に及ぼす影響について
―赤外線電子スコープによる観察下での実験的検討―
成宮 徳親武内 力杉本 泉浜田 宏子丸山 達志宮島 浩人鶴田 由美佐藤 博光常喜 真理小田切 理純渡辺 俊明田中 照二
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1997 年 39 巻 1 号 p. 3-9

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抄録
赤外線電子スコープは胃粘膜下の血管の描出が可能であるが,内視鏡的胃粘膜切除術(endoscopic mucosal resection EMRと略)を赤外線電子スコープの観察下で行い, EMRが及ぼす粘膜下血管への影響について実験的に検討した.実験には成犬10頭を用いた.赤外線電子スコープでは通常光では観察されない粘膜下血管がC領域で2mm程度の太さで樹枝状に描出され, microangiographyにより描出された血管を観察すると,血管描出部には筋層流入部までの粘膜下層を横走する,粘膜下層でも径の太い動脈,静脈が走行していた.描出された血管部にEMRを行い血管に及ぶ影響をmicroangiographyで観察すると,EMRによる血管の損傷はEMRの長径が10mm未満では少なかったが, EMRの長径が15mm以上では血管損傷率が85.7%と高くなった.血管の損傷はEMR部の辺縁で粘膜下層を横走する部の血管の断裂したものが多かったが,筋層流入部付近の血管の断裂も観察された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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