症例は46歳女性.胃内視鏡検査で胃体部に,中央に膀窩を伴う粘膜下腫瘍を認めたため,胃襖状切除を施行した.大きさ20×12×6mmの黄白色充実性の腫瘍であった.組織学的には,腫瘍細胞は好酸性の微細顆粒を含む豊富な細胞質を有し,その顆粒はPAS染色陽性であり,ジアスターゼにより消化されなかった.免疫組織染色ではS-100蛋白陽性所見を示し,電顕像では細胞質内に電子密度の高い顆粒状物質を認めた.強拡大10視野に3~5個の核分裂像および静脈侵襲を認めたため,悪性顆粒細胞腫と診断した.静脈侵襲を認めた顆粒細胞腫の報告は過去になく,貴重な症例として病理組織学的検討を詳細に加え報告した.