日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
腹腔鏡検査によって発見された胆嚢腺筋腫症の1例
小林 正和植村 一幸坂戸 政彦宮原 秀仁川口 哲男加藤 邦隆清澤 研道
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 39 巻 10 号 p. 1818-1822

詳細
抄録

症例は63歳の女性,C型慢性肝炎の精査目的に入院.腹腔鏡検査では肝は陥凹の散在する斑紋肝であったが胆嚢では底部に直径約2cmの白色調の隆起を認めた.腹部波検査では,胆嚢は描出されなかったが,腹部CTでは,低吸収域を内包する腫瘤病変が認められた.ERCPでは胆嚢底部に中心に陥凹を伴う隆起性病変が認められた.胆嚢腺筋腫症が最礙われたが,CA19-9が軽度高値を呈していたため,胆嚢癌の合併を否定できず,胆嚢摘出術を実施した.摘出所見では,悪性所見は認めず限局型の胆嚢腺筋腫症であった本邦において,腹腔鏡検査にて発見された胆嚢腺筋腫症は報告例が少なく,貴重な症例と考え報告した.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top