抄録
38歳,女性.内視鏡検査にて胃体部に多発する小隆起性病変を認め,生検にてカルチノイドと診断された.コンゴーレッド散布法と24時間胃内pH測定で無酸症を確認した.さらに鉄欠乏性貧血と高ガストリン血症,胃壁細胞抗体陽性を認めた.多発性胃カルチノイドの診断で胃全摘術を施行し,病理学的検討にてA型胃炎を背景とし多発するendocrine cell micronest(ECM)と深達度が粘膜下までの約90個のカルチノイド腫瘍を確認した.A型胃炎では背景粘膜の著明な萎縮による小隆起のため,すべての微小カルチノイド腫瘍を肉眼的に同定することは困難と考えられた.