抄録
極めて稀なPancreatic Polypeptide単独産生膵腫瘍(pure PP-oma)の1例を報告した.症例は56歳の女性.主訴は心窩部痛,背部痛.体外式超音波検査(以下,US)で,膵頭部に境界明瞭な低エコー腫瘤像が認められ,精査を行った.種々の画像診断で膵島細胞腫と診断し,膵頭十二指腸切除術を行ったが,術前診断に最も有用であった検査は超音波内視鏡検査(以下,EUS)であった.腫瘍は約30mm大で周囲の正常膵組織とは薄い被膜で境界され,浸潤性の増殖は認めなかった.免疫染色では, PP, synaptophysin, chromogranin A, NSEが陽性, insulin, glucagon, gastrin, somatostatin, VIP, p-53, CEAが陰性であった.最終診断はpure PP-omaであった.術後10カ月経過したが再発の徴候はなく,健在である.