抄録
症例は68歳,男性,嚥下困難を主訴に来院.上部消化管内視鏡検査で中部食道に,立ち上がり急峻な周堤を有した不整な潰瘍性病変を認めた.生検の結果,小細胞型未分化癌と診断された.既に大動脈周囲のリンパ節転移と肝転移を認めたため全身の化学療法を施行した.治療効果は有効であったが第79病日に死亡した.食道原発小細胞型未分化癌は本邦では約200例程報告されている.自験例を含め,その内視鏡所見を中心に臨床的特徴を検討した.腫瘍径の増大に伴って,粘膜下腫瘍様の形態をとる隆起型から立ち上がり急峻な周提を有する潰瘍限局型,さらに陥凹型,潰瘍浸潤型の形態をとる傾向にあった.