抄録
食道静脈瘤初回治療前の30例(未治療群)と治療後1年以上経過している18例(長期経過群)に対しカラードプラ超音波内視鏡(CD-EUS)を施行し血行動態を比較検討した.行われた治療はEVL,AS-EIS併用法である.その結果,1.左胃静脈本幹の血流は両群ともに遠肝性が多く,流速は両群間で有意差はみられなかった.2.左胃静脈の分枝形態は未治療群で前枝優位型が多かったのに対し,長期経過群では後枝優位型が多かった.3.傍食道静脈は長期経過群で有意に発達していた.4.貫通枝の描出率は長期経過群で有意に低率であった.以上より,EVL,AS-EIS併用法では追加治療を行いながら長期にわたり経過観察することで,前枝および貫通枝が消退し,後枝,傍食道静脈が発達する.これがシャント血管として機能することによって再発に関して良好な予後が得られるようになると考えられた.