2003 年 45 巻 5 号 p. 970-975
症例は38歳男性.飲酒歴なし,食後の上腹部痛が2年間持続するので受診したところ腹部CTで膵企体の萎縮と主膵管の著明な拡張が認められた,ERCPを施行され数ケの膵管内透亮像が認められたのでX線非陽性膵石症と診断された.内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(以下ENPD)を施行して造影下で体外衝撃波結石破砕療法(以下ESWL)を行い非侵襲的に膵石を完全排石させ腹痛も消失した.本例でのESWLにおけるENPD併用の意義は,(1)フォーカシング(2)破砕片のドレナージ(3)治療効果判定(4)膵液性状の検索という点で非常に有用性が高かったので報告した.