抄録
〔目的〕十二指腸悪性狭窄に対するself-expandable metalic stent(SEMS)治療におけるSEMS留置成功率の改善,合併症の減少を目的とし,新しいステント挿入法を試みた.〔方法〕十二指腸悪性狭窄15例に対し,イレウスチューブ挿入用に開発されたイレウスエイドシステムの先端バルーン付きロングオーバーチューブ(住友べークライト社製)をステント挿入のガイドアシストとして併用,SEMS留置術を施行した.〔結果〕全例で留置に成功した.従来まで実施していた様々な方法の18例に比べ,SEMS留置成功率は向上し,挿入時間の著明な短縮が可能となった.従来見られた胃十二指腸のたわみによる挿入困難や,誤嚥性肺炎,穿孔,出血などの早期合併症は認められなかった.〔結論〕ロングオーバーチューブを用いた新しいSEMS挿入法は挿入困難例,早期合併症の減少をもたらすとともに,挿入時の苦痛も非常に少なく,極めて有用性が高いと考えられる.