2019 年 16 巻 2 号 p. 118-125
胃癌の術前化学療法を評価する前向き無作為比較臨床試験における術後合併症についての国内外の報告から,「術前化学療法により術後合併症の発生頻度は増加しない」ということが示された。後ろ向きの比較でも同様の結果であった。しかし,脆弱な患者背景・強度の高い化学療法のレジメン・行われた化学療法で生じた重篤な toxicity,行う予定手術の大きい侵襲など,術後合併症の発生を増加させる可能性がある因子が含まれている場合は,安全性への十分な配慮をもって手術を行うことが望ましい。