日本プライマリ・ケア連合学会誌
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総説
日本の訪問看護師の看護実践能力についてのナラティブレビュー
片平 伸子植村 由美子
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2021 年 44 巻 2 号 p. 89-96

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抄録

目的:訪問看護師の看護実践能力の特徴を明らかにし,能力育成の方策を検討する.

方法:訪問看護師の看護実践能力の定義と要素について国内文献のナラティブレビューを行った.

結果:訪問看護師の看護実践能力は専門職としての姿勢,知識,技術等に基づいたケア能力であり,訪問看護の実践のために生活の場で発揮される等の特徴があることが示された.【主体性・個別性を活かした利用者・家族支援】【制度等の社会資源の活用と連携】【訪問看護師としての基本姿勢や態度】【災害・感染等のリスクマネジメント】等が看護実践能力の要素として抽出された.

結論:訪問看護師の育成においてはこれらの要素を優先して育てることが望まれる.また,能力の育成策としては,利用者の個別性を重視したOJT,チームマネジメントの機会を提供すること,新人には専門職としての姿勢,リスクマネジメント能力を基盤として看護実践能力の習得を図ることが考えられた.

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© 2021 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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