日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
ICT技術を活用したShared maternal care拡充の取り組み―産科医と家庭医の妊婦健診連携の可能性について―
栗原 史帆末光 徳匡近藤 慶太安田 幸矢臼井 亜紀子岡田 唯男
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2025 年 48 巻 1 号 p. 11-17

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抄録

目的:亀田ファミリークリニック館山(以下診療所)は2006年から亀田総合病院(以下本院)産婦人科と連携して家庭医による妊婦健診を実施してきたが,対象は低リスク妊婦かつ妊娠34週までと限定的だった.2021年よりICT技術によって本院との連携を強化し,対象を一部の高リスク妊婦や満期妊婦へと拡大した.妊婦の通院負担がどれほど軽減されたのかを後方視的に検討した.

方法:2021年以前の管理で想定される妊婦健診状況と実際を比較し減じられた本院通院回数や総通院距離を解析した.

結果:27例の妊婦が対象となり,今回診療所で対応できたために減じられた本院受診回数は中央値3回,減じられた通院距離は中央値183.6 kmであった.高リスク群では減じられた本院受診回数は中央値5.5回,減じられた通院距離は中央値257.6 kmであった.

結論:ICT技術を活用した妊婦健診拡充により安全に妊婦の通院距離が減少した.

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