抄録
これまでに微量な希土類元素が炭酸カルシウムの結晶成長や溶解に影響を与えることが知られているが、炭酸カルシウムに取りこまれる機構や化学状態は明らかにされていない。今回は11種類、それぞれの希土類元素について個別にカルサイトの合成をし、X線吸収微細構造(XAFS)を用いて希土類元素の酸化状態を調べた。また他の炭酸塩鉱物としてCaと同じアルカリ土類金属であるMg, Ba, Srの炭酸塩についても同様に実験を行った。その結果、いくつかの希土類元素について無視できない量の2価イオンが取り込まれていることが明らかになった。酸化数の変動と希土類元素パターンとの関連を調べるため、合成して沈殿した粉末とろ過液、それぞれの[REE]/[Ca]比の分配係数について検討した結果も報告する。