抄録
堆積物に含まれる有機化合物の安定水素同位体比は,有機化合物形成時の環境水や起源生物の情報を記録していると考えられ,バイオマーカーと組み合わせることでより詳細な古環境復元が可能になることが期待されている.しかし,堆積有機物の水素同位体比は続成作用の過程で,間隙水や他の有機化合物と交換反応を起こし,元の値を保持しない可能性が指摘されている.そこで本研究では,50~140℃程度の古地温を経験したと考えられる中新世の珪質堆積岩を用いて,広い続成段階にわたって各種炭化水素の安定水素同位体比を測定し,その熟成に伴う変化について検討した.本講演ではその成果について報告する.