抄録
極東ロシアのシホテアリン地域は,後期白亜紀以降付加帯から大陸縁辺部へ変化し,新生代には隣接した日本海では背弧海盆拡大しており,興味深い地域の一つである.シホテアリンの火山活動は後期白亜紀以降の酸性岩中心の火山活動から,始新世以降沿岸部のような玄武岩台地を伴う大規模な火山活動か,内陸部のようなスャbト状の火山活動に変化している.沈み込み帯からの距離・スラブの角度の変化により,日本海拡大後でマグマの生成過程も変化したと考えられるが,内陸火山への影響は考えにくい.しかし,西部及び内陸シホテアリン地域の火山岩類についての時間軸を入れた議論を行い,大陸内火山とそのテクトニクスに時間的制限をあたえることがこの研究の目的である.