抄録
アパタイト(Ca5(PO4)3OH,F,Cl)はPbを固定する性質を持つ。本研究ではアパタイトーPb間相互作用による反応界面近傍のナノスケール現象を解明するため、pH = 5.0、室温、硝酸鉛溶液中(2 mM)で粉末ハイドロキシアパタイト(HAP)と単結晶の天然フルオロアパタイト(FAP)の溶解実験を行った。HAP表面においてはb軸方向にエピタキシャルに成長しているハイドロキシパイロモーファイト(Pb5(PO4)3OH, HPY)の生成がみられた。このHPY生成には2つのメカニズムがみられた。一つは、飽和状態になった溶液からHAP上にHPYが生成するメカニズム、もう一つは、HAPの表面でHAPの溶解の後即座にHPYが生成するメカニズムである。また、FAP溶解実験では断面透過電顕法からFAP表面のCaが選択的に溶脱すること、Pbは二次鉱物として固定されることが明らかになった。