抄録
核分裂起源核種の中でも,Mo,Tc,Ru,Rh,Pdは核燃料内で金属微粒子を形成することが知られており,同様の化学組成を持つ金属微粒子が約20億年前に核分裂連鎖反応を起こしたオクロ天然原子炉中からも発見されている。使用済み核燃料の地層処分の安全性を評価する上で,金属微粒子内に保持されている核分裂起源核種の長期間における地球化学的挙動を調べることは重要な知見をもたらす。本研究では,オクロ天然原子炉試料から見出された金属微粒子について高感度高分解能イオンマイクロプローブ(SHRIMP)を用いた局所同位体分析を行い,約20億年間における核分裂起源遷移金属元素の移行挙動の解明,およびそれらを保持している金属微粒子の形成過程について考察を行った。