日本地球化学会年会要旨集
2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
セッションID: 1P17 07-P02
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現世の有機物、微生物、生態系の地球化学的動態と過去の生命史の解明
耳石の同位体分析によるシーラカンスの生息水深推定
*和田 亮一坂井 三郎二階堂 雅人相原 光人大河内 直彦岡田 典弘山田 桂太吉田 尚弘
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抄録
シーラカンスは四億年もの昔から地球上に存在する「生きた化石」である。魚類から陸上四肢動物への進化の鍵を握る重要種であり、また絶滅の可能性がある希少種である。そしてシーラカンスの生態については未だわかっていないことが多い。近年、従来の知見とは異なる海域で大量に捕獲されるようになり問題となっている。彼らの保護のためにはまず生息地の情報を得ることが必要である。そこで本研究ではシーラカンスの生息水深を明らかにするため耳石の安定同位体分析による生息水温の復元を行った。これまで温度計として広く用いられてきた酸素同位体に加え、より厳密な温度指標として期待される二重置換同位体分子種の測定を試みる。これらの手法を用いた高解像度の同位体測定により幼魚から成魚までの水温変化を明らかにし、それを捕獲地域の水深-水温データと比較することによって生息水深を推定する。
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© 2010 日本地球化学会
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