抄録
微生物群集の構造解析や分子レベルでの生物地球化学的プロセスの解明に向けて,生元素の安定同位体のラベル化によるStable Isotope Probing (SIP)法が広く用いられるようになった。標識された分子の情報を得ることは,クロマトグラフ法を用いて有機化合物を分離・検出し,その化合物を同定・定量することが基本となる。
ここでは,分子レベル同位体比の品質管理と確度向上を図るために,湿式分析による基礎的な留意点についてまとめた。主に,極性脂質・コア脂質および位置異性体の解析,クロマトグラフ法と共溶出化合物の評価,クロマトグラフ法および分光法(1H-,13C- NMR)による不純物の可視化・スクリーニング,化学修飾による共溶出化合物の分離,溶出中の同位体分別について,具体例を挙げ,その改善方法を考察した。