太古代海底玄武岩の炭酸塩化作用をもたらす変質条件を地球化学モデルによって検証した。その結果、(1)炭酸塩化作用は、CO2濃度が現在のおよそ10倍以上になると顕著になること、(2)炭酸塩化作用は、低温・高水岩石比条件ほど起こりやすく、高温・低水岩石比条件では起こらないこと、(3) CO2濃度の上昇、温度低下、水岩石比の上昇に伴って、Caの分配先は(a)珪酸塩鉱物 → (b)珪酸塩+炭酸塩鉱物 → (c)炭酸塩鉱物へと変わること、(4)太古代(35億年前)の海洋地殻は、現在より少なくとも数十倍程度高いCO2濃度条件下で変質していることがわかった。