日本地球化学会年会要旨集
2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
セッションID: 1A14 16-02
会議情報
火成岩の地球化学
太古代の海底熱水変質作用が示唆する当時の大気-海洋環境
*中村 謙太郎高井 研加藤 泰浩
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

太古代海底玄武岩の炭酸塩化作用をもたらす変質条件を地球化学モデルによって検証した。その結果、(1)炭酸塩化作用は、CO2濃度が現在のおよそ10倍以上になると顕著になること、(2)炭酸塩化作用は、低温・高水岩石比条件ほど起こりやすく、高温・低水岩石比条件では起こらないこと、(3) CO2濃度の上昇、温度低下、水岩石比の上昇に伴って、Caの分配先は(a)珪酸塩鉱物 → (b)珪酸塩+炭酸塩鉱物 → (c)炭酸塩鉱物へと変わること、(4)太古代(35億年前)の海洋地殻は、現在より少なくとも数十倍程度高いCO2濃度条件下で変質していることがわかった。

著者関連情報
© 2010 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top