抄録
火成岩の化学・同位体組成から地球内部の化学的環境に関する情報をいかに得るかについて、キンバーライトを例にして考察する。キンバーライトはダイアモンドを含むので、そのマグマ源は150kmより深い部分に存在すると推定されている。超塩基性岩でありながらアルカリ元素や揮発性元素などに富んでおり、上部マントルを構成するかんらん岩の場にH2O,CO2などの存在が要請されている。Sr,Nd同位体比などからグループ1とグループ2に区分されるが、大多数を占めるグループ1はBulk Earthの値の周辺に集中する。またHe同位体比は、ハワイなどのOIBと同様の値を示す。これらから、キンバーライト1のマグマ源は下部マントル内で相対的に未分化で脱ガス程度の少ない部分に存在することが示唆される。