抄録
石垣島,沖縄島,グレートバリアリーフから採取したハマサンゴ骨格年輪試料のNa/Ca比,Mg/Ca比,Sr/Ca比の分析結果をもとに,Na/Ca比の変動要因を調べた。その結果,造礁サンゴ骨格のNa/Ca比は水温や塩分や海水のNa/Ca比以外の何らかの環境因子あるいは個々のサンゴ群体固有の因子(生理学的因子)によって制御されることが示唆された。また,海洋で無機的に生成した非生物性アラゴナイトおよび造礁サンゴ骨格の微量元素データ(Bar-Matthews et al., 1993; Busenberg and Plummer, 1985; 本研究)を考察した結果,海水中で生成する生物性および非生物性アラゴナイトでは,Na,S,Mgは主として(1)格子欠陥に存在する,そして(2)有機物と結晶の境界面に吸着されていると推測された。