抄録
植物バイオマーカーとして,植物の木質部に由来するリグニンや表皮ワックスに由来する長鎖のn-アルカン,n-アルコールなどが知られているが,これらにくらべて多様で特異性の高い植物バイオマーカーとしてテルペノイドが知られている(中村・沢田,2010).北海道夕張山地西部にはタービダイトを中心に構成される新第三系中新統川端層が広がっており(川上ほか,2002),地層中から多くの植物テルペノイドが検出される(Okano and Sawada, 2008).また,大規模洪水によって形成されたと考えられるハイパーピクナイト的堆積物がタービダイトに介在するように複数見つかり,その地層中からも非常に多くのテルペノイドが検出される.しかし,その組成分布や続生段階はタービダイトとは異なり,堆積過程や続生過程の違いを反映していると考えられる.本発表では,堆積・続成作用による植物テルぺノイドの減成および芳香族化反応と堆積環境の関係をより具体的に考察して論じたい.