抄録
紀伊半島沖の四国海盆における、IODP第322次研究航海で掘削された、中新世堆積物のうちC0011のUnit Vからの珪長質凝灰岩4試料と、C0012のUnit Vの最下部の火山砕屑性のタービダイト砂岩1試料から分離されたジルコンについて、レーザーアブレーションICP-MSで、U-Pb年代を求めた。凝灰岩からは、おもに中期中新世の年代が得られ、熊野酸性岩類等、西南日本外帯の中新世珪長質火成岩がUnit Vの砂岩の砕屑物の給源であるという可能性を支持する。火山砕屑性タービダイト砂岩中のジルコンの238U-206Pb年代については、中期中新世を示す粒子を欠き、古い粒子は2500 Maに及ぶ。古い年代を示すジルコン粒子を含む堆積物は、西南日本弧の回転直前に大陸の基盤岩から供給されたか、あるいは四万十帯等の古いジルコン粒子を含む堆積物がリワークされ、海溝軸を超えて運搬・堆積したものと考えられる