抄録
本研究では、後期重爆撃期に起こった小天体衝突を再現するため、高強度レーザー衝撃圧縮法を用いたコンドライト隕石の開放系衝撃実験(100-400 GPa)を行い、試料から生じる揮発性成分をQMSで測定した。その結果、炭素質コンドライトから生じた揮発性成分量は高圧条件ほど多く、主要な生成物はH2、次いでCOであった。その他、400 GPa で炭化水素およびそれらに由来するマスフラグメント(CH4, C2H2, C2H3, C2H5, C6H6)が生じ、200、100 GPaでは炭化水素に加えH2Sを主とする硫黄化合物(他にSO, COS, SO2)が生じた。普通コンドライトから生じた揮発性成分量は炭素質コンドライトに比べて少なかった。本結果から、金属鉄が乏しい酸化的な炭素質コンドライトの衝撃反応では有機炭素と硫黄化合物が還元力を担い、多種の還元的揮発性炭素化合物をより多量に生じることが判明した。