抄録
原始惑星地殻の初期進化過程および太陽系年代学に用いられる手法に関する情報を得ることを目的として、4つのユークライトの希土類元素およびSr, Baの同位体の分析を試みた。いずれの試料もCIコンドライト隕石の数倍から十数倍の希土類元素存在度を示し、そのパターンはEuを除いてほぼ平坦であり、典型的な非集積岩タイプのユークライトが持つ特徴を示した。4つの試料の138Ce, 142Nd, 143Nd同位体データと先行研究で示されている各同位体進化線の間には整合性が認められた。SmおよびGd同位体シフトから見積もられる中性子フルエンスからは、母天体上での宇宙線照射の影響は見られなかった。5ppm以下の繰り返し誤差による測定結果からは135Cs壊変起源の135Ba同位体過剰は検出されなかった。