抄録
最近、海洋の希土類元素の循環に関して、従来とは異なる解釈(Akagi, 2013)が提案された。その新解釈に基づけば、海洋の希土類元素は珪藻ケイ酸殻への吸収とその溶解により鉛直的な輸送が支配され、溶解した希土類元素は炭酸塩を主成分とする粒子へのスキャベンジングにより除かれる。そして、スキャベンジングされた希土類元素は海底で最終的にマンガンノジュールに固定されると考えられる。定常状態が水柱で成り立っていると仮定できれば、スキャベンジングされる希土類元素は表面付近でケイ藻の活動“海風化”により水柱に補給される量と釣り合っていなければならない。すなわち、マンガンノジュールの希土類元素組成は、ケイ藻により補給された希土類元素組成を反映している。本研究では、実際にマンガンノジュール中の希土類元素組成の報告値を整理し、“海風化”により供給される希土類元素組成の特徴を整理した。